猫の染絵 制作手順
★はじめに
猫の絵に関しては、私は触媒です。
その子のありのままの姿を写すための道具。
飼い主の思いのこもった素晴らしい写真があれば描けると思います。
★写真について
毎日その子を見ている飼い主さんは、多少ぼやけていたり、色がはっきり写ってない写真でも、心の中で補正して見ています。
太陽光で撮ったのか、電灯の光か、白熱電球かLEDかでも全く色が違って見えます。
ですが、私はその子を見ていないので、一枚の写真では補正することができず描くことが難しい。
できるだけたくさん、いろんな写真を見てその子を知りたい。
良いところ、可愛いところ、素敵なところを見つけて描きたい。
描かせていただく場合は、ご協力をお願いいたします。
★使用布地
着物の絹地を使っています。
猫のイメージに合わせて、素朴な紬(つむぎ)や華やかな緞子(どんす)などチョイスします。
もともと染まっている着物地を使うか、合う色がない場合は染める所から始めます。
★使用画材
友禅染で使う顔料染料を使っています。
和の色合いの調和が美しい。
筆は、絵を描く用を何種類か。
★手順
1)写真を選ぶ。眼に輝きがありその子らしいものを。これが一番大事かも。
眼や毛の色は光によって変わるので、いろんなシュチエーションの写真を見比べるため用意。
最低でも3枚は必要。
2)イメージに合わせて布を用意する。染から入る場合もあります。
3)下書き。別紙に用意し友禅のように裏からトレース。表に響かないように。
4)眼から描き始めただひたすらに描く、描く。老眼で見えないので拡大鏡も使用。
5)布地を和紙で裏打ち。マットを合わせて額装
「そら豆」 15センチデッサン額
★猫の染絵について
変色しないテープなど使い、長く愛用いただけるように考えていますが、
絹という繊細な支持体を使用しているため、油絵や日本画のように何年も同じ状態を保つことは難しいです。
着物も陽に当たると色が変わってしまいますね。
同じです。
紙のように、シミカビも時間がたてばでることも。
人間も猫も、絵も年を取るとご理解ください。
直射日光の当たらない、温度変化の少ない場所に飾っていただければ嬉しいです。
★制作時間について
11㎝角の枠内に描くとして、写真選びや布地の染などをカウントしなければ、純粋に所要時間は
10時間から15時間ほどだと思います。
しかし公募での制作、パートタイムの仕事などがありなかなか猫の染絵だけに集中して制作することができないでいます。
いろいろと調整していて、いずれはゆっくり描けるようにしたいと願っています。